生き残ったのだから

「これからどうする?」と尋ねると、亮くんは言った。

「野球も続けたいし、勉強も頑張りたい。

 

生き残ったんだから、ちゃんと頑張りたい。」

 

(3月22日朝日新聞夕刊より、宮城県石巻市門脇小学校6年布施亮君の言葉)

 

テレビもラジオも新聞もウェブサイトも、あらゆるメデイアは被災地のニュースや写真、人々の声であふれている。どれも心が痛む。

 

けれど、これほどずしんと、身体にきた言葉はなかった。

目にした光景、自分の状況を受け入れている。

悲しみ苦しみ淋しさ ぜんぶ、目で見て聴いて、

飲み込んで 生まれてきたことば、だと思った。

 

子どもは強い。がれきの中からすくっと 立ち上がる姿を感じた。

 

ちゃんと、ちゃんと。生きているのか。亮くんに、恥ずかしくないか。

わたしも、生き残っているひとり